ANTI 政経懇話会
規制と保護に護られていた時代。地域の企業家は業界団体や、自分が頼みとする政治家の団体に属しながら、その中で「嫌われないように」していることが必要でした。
そこで問われていたのは、製品やサービスの質を高めていくことよりも、地域の企業社会において上手く立ち回れる力量、政治力。特に70年代以降、行政予算への依存度が高まれば,高まっていくほど、そうした傾向は強まっていき、いつしか、地域企業が参加する会合は、みな「親睦会」化していきました。
90年代に入って、当時の経済局(横浜市)は、大手企業の参入や、消費者が地縁に縛られなくなったことなどから、将来的に、地域企業も、自らのつくりだす製品やサービスによって企業を成り立たせなくてはならない時代が来るとして、製品の共同開発のグループや、企業の企画力を高めるためのワークショップなどを立ち上げました。しかし、それも、いつしか、慣習の中に取り込まれ、年ごとに恒例事業を繰り返すだけの親睦団体になっていきました。
横浜は、まだそうした状況を脱せずにいる…
少数ながら有志の方はいらっしゃるようですが、それでも状況は遅々として動かない…
それでは横浜は死ににいくようなものです。
かつての時代が終わりを告げようとしていることを実感している方はたくさんいらっしゃるはずです。経営を考える、そもそもの文法が通用しなくなってきています。
行政予算に拠るのではなく、ひとりひとりの消費者に向き合っていかなければならない時代。もう同業間で親交を温め合っている時代ではありません。